ジェミ子さんから素敵リーマン絳攸をもらっちゃった! あつかましくも「あのかっこかわいい絳攸をくださいっ!!(ハァハァ)」とお願いしたらくださいました。 ありがとうありがとう! 以下、うれしくなって書きなぐったSSです。 当サイトの現代パロはここからはじまったのでした。 *** 「あれ、またかい? 今日は休みのはすだろ」 湯気の立つコーヒー片手にキッチンから出てきた楸瑛は、まだ眠そうな顔をしている。 適当に引っ掛けただけの上着からは、はだけた胸元と引き締まった腹筋が垣間見え、長い髪は下ろしたまま。もつれて、先っぽがちょこっと跳ねているのはご愛嬌だ。 ちらりとそちらを振り返った絳攸は、第一ボタンを閉めると軽く息を吐いた。 「まあな。だがそうも言ってられなくてな」 絳攸の務める部署は、社内でも指折りの激務で知られている。 スムーズに業務が流れていても忙しいのは当たり前、ちょっと遅延が発生すれば、その皺寄せは一気に部内に及ぶ。 その結果、頻繁な休出の繰り返し。 まだ今年度に入って日も浅いが、絳攸自身、何度週末をふいにしたことだろう。 そして今日もまた膨大な仕事が彼を待っているというわけだ。 「昼飯は適当に食っておいてくれ」 「うん、わかった」 髪をサイドでまとめて、濃色のネクタイを結ぶ。 最後に袖口のボタンを止めた絳攸に「夕飯までには戻れるかい?」と訪ねると、ちょっと考えた後で、そうだなと頷いた。 「それじゃ、今夜は私が腕をふるおうかな」 「ほう、お前が。食えるものを作れよ」 「失礼だな。これでも少しは上達したんだよ」 絳攸と暮らし始めたころの楸瑛といえば、洗濯一つすらできないほどの家事オンチだった。 こんなもの洗剤を入れてボタンを押すだけだろうと呆れられて、付属のさじに四杯投入したところ、今度は洗剤のぬめりが全く落ちずに、結果、五回もすすぎをくりかえす羽目になったのも、いまでは笑い話である。 そんな彼が料理などできるはずもなく。 野菜の切り方から教えてもらって、ようやく最近、炒め物を作れるまで成長した。 というわけで近頃の楸瑛の好きなおかずは野菜炒めだ。 「嘘だ。楽しみにしている」 むすっと機嫌を低下させた楸瑛を振り返り、絳攸があまり他人には見せない表情で柔らかく笑う。 そんな風に笑われては機嫌を直さずにはいられない。 まあいいかとこちらも笑みを浮かべると、背広を羽織った絳攸は颯爽とした足取りで玄関へ向かった。 「他になにかしておくことは?」 「この間出したクリーニングがそろそろ戻ってくる頃だ。それを頼む。あと醤油が残り少なかったな。買い足しておいてくれ」 「了解」 「じゃ、行ってくる」 てきぱきと指示を飛ばして、靴紐を結び終えた絳攸が腰をあげる。 「気をつけて行っておいで」 二人で暮らし始めてからしばらく。 この玄関で彼を見送るのにもすっかり慣れた。 扉に手を掛けた絳攸の、すでに仕事モードに入ったその横顔に、楸瑛は励まし代わりのマグを掲げた。 というわけで現代パロ同居編のはじまりはじまり〜。 (2011/01/18 収納) menu |
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